まず、「往生要集(おうじょうようしゅう)」とは。985年(平安中期)、源信(げんしん;恵心僧都)著。歴史の教科書にも、載っていました。
さて、地獄では、罪の重さや種類によって、様々な地獄が用意されています。
そのうちの一つ、「衆合地獄(しゅごうじごく)」に、「多苦悩処」という特別の地獄があります。此処こそ、男色にふけった邪な男の落ちる地獄なのです!
そこで待ち受ける苦しみは、というと、まず、男の前に、かつて関係にあった男が現れる(幻か?相手も地獄に落ちているのだろうか?)。その男を見ると、体中が、炎に包まれたかのように、熱くなり、近づいて彼を抱きしめると、体の器官すべてが、バラバラになって崩れ落ちてしまう…、らしいです。
しかしこれで、解放されるわけではない!!そうしていったん死んでもまた息を吹き返してしまう。今度は、恐怖心を起こして逃げようとするのだが、断崖絶壁に足を踏み外して墜落してしまう。そこへ炎を吹く鳥や狐が群がってきて、喰われてしまう、というから恐ろしい!
衆合地獄は、殺生、盗み、邪淫を犯した者が落ちる地獄だそうですが、そこに男色専用の地獄があるとは。しかし、こんだけ「恐ろしい地獄に落ちるぞ」って言っているのに、寺院における男色は収まらなかったみたいですね。それどころか、庶民にまで広まるし;そんな破戒坊主たちに拍手~!!
と、ここで、件の「剣の山」はどうなったんだとお思いでしょう。それについて、ちょっと言い訳させてください~;
衆合地獄には、邪淫を犯した男の落ちるところがあって、そこに、刀身のように鋭くとがった葉の群がる林があるそうです。そして、その樹の上に魅力たっぷりの女がいる。罪人が、その女を求めて、葉に切り刻まれながら木に上ると、女はいつの間にか木の下にいる。また、葉に切られながら下りると、またまた女は木の上にいる。やっぱり罪人は木の上を目指して…、という具合に延々繰り返すらしいです。
ワタクシ、この「葉が刀でできた樹(の林)」を「剣の山」と記憶違いしておりました;申し訳ごさいませんでした~;;
ともあれ、地獄って恐ろしいところですね。できれば地獄に落ちない生き方をしたいものです。う…ん、もう無理かな…。全身ヨコシマの塊みたいなもんだからなぁ。せめて、来世も人間に生まれたい!!南無。
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