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梅色夜話

◎わが国の古典や文化、歴史にひそむBLを腐女子目線で語ります◎(*同人・やおい・同性愛的表現有り!!)

衆道のいろは 二

 今回は男色大鏡二巻の(三)から、衆道カップルのお付き合いの様子の一端を覗いてみようかと、思います。
 次の文は、左内という若侍が、勘右衛門という男の死に際して、元服する前、彼と交際していたときのことを語る場面です。ちなみに原文。( )内にちょっとした注を付けてみました。漢字の送りや特殊なものは今風に改めたものもあります。改行は読みやすいように。気楽に読んでみて!


 「堺、昌雲寺の庭(の趣)を此処に移して、蘇鉄うへ替えらるる日、是なる岩に腰かけながら、まかせ水(庭を流れる水)を手に請けてあまりをうしろに、人の有ともしらずまけば、『ぬれたい折ふしに、かたじけない』と、声ひくうしていはれし勘右衛門殿いとをしく、其後いつともなくたはぶれて、
 世のそしりは大事か(かまわず)、親仁神前の御番をかんがへ(父親が春日大社で夜勤をしている時を見合わせて)、遠き高畠よりしのびて通ひしに、うれしき事はわすれもやらず。
 風ふきて雪の夜、かならずまいるのよし、昼より文つかはしければ、我が家居近くむかひに来たりたまひ、肩車にのせて、懐より具足着たる金平(人形)を(取り出して)たまはりける。道すがら切合い事(切合うまね)して、その夜は勘右衛門寝すがたを馬にしてのれば、よき御大将と申されしが」

 
 元禄文も結構読めるもんでしょ?勘右衛門殿との運命的な出会い(低い声ってのがまた良いv)。親には秘密の逢瀬(ラブラブやんけ)。そして夜の戯れ…v。彼らは5年あまりも親密な交際を続け、左内が元服して衆道の関係を解消したあとも、頼もしい後ろ立てになってもらうつもりでいた、ということです。
 もちろんこれは井原西鶴という、浮世草子作家が書いた小説の一部分なので、フィクションといえばそうなのですが、実際の衆道カップルにも、こんなカンジのお付き合いをしていた人たちがおるんではないか、と。想像(妄想?)したって許されるんじゃないでしょうか。
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